2016 年度アーティストinレジデンス
15周年記念招待作家|森山泰地
水人
リバーパルの湾処に突如現れた水神様。
この作品は私が自ら水神様となり水上で過ごす作品です。水神様の舞台は満潮時に水に沈む高さに設定されています。水害がテーマとなっており、観客は堤防の上から水に沈んだ水神を傍観することになります。これは私たちがテレビなどで災害の映像を傍観している状況を体験的に知覚させる表現です。「見る」という事を自然と人の関係と、私たちとメディアの関係を通して考えた作品です。
この作品は東海さるく2014の川島大幸の作品「水神 natural born」へのオマージュです。この作品に人の営みという要素を追加した作品です。実写版水神という処でしょうか。そして2014の私の作品「空間の鷺」の手法を用いています。ひとつのレジデンスにおけるコンテクストをつくっていく試みでもあります。
SUIJIN無人販売機
この無人販売は水神様の小遣い稼ぎです。これらは海で拾ったペットボトルや空き缶などです。ボトルには商品名と日付とサイン(SUIJIN(Moriyama Taichi))が書かれています。作品は元の商品がかつて売られていたであろう値段に設定されています。主に自動販売機における価格を優先して設定しています。観客は代金を支払ってその場で作品を買うことができます。 この作品はふざけているように見えますが結構真面目にやっていて色々な問題に繋がるように作っています。ある意味私(水神)は購入者の代行として海でゴミを拾った事になります。購入者はそのゴミの元の値段を支払う事で海からそのゴミを拾ったという事にもなります。私はゴミを拾う事でそのゴミがゴミになる前の価格の金銭を得た事になります。(実際には手間がかかっているので儲かりません)この作品はゴミ拾いも兼ねています。 このペットボトルや缶はほぼ全てが誰かに買われ飲まれ捨てられたものです。それぞれが別々のルーツを持つ容器たちが並べられ再び同じ価格で買われるという事に意味があり、その体験こそが作品になります。これは私(水神)による現代の社会、経済、環境、生活への切り込みであり、今回初めて行われるリバーパルでの作品販売、そしてなぜ「人はアートを買うのか」というシンポジウムのテーマへの切り込みでもあります。 作品は容器にサインをしているだけですが、購買意欲を促進するためそれぞれのゴミの特性に合わせて少し工夫してデザインしています。
東京藝術大学修士1年|中本那由子
延岡と青い日記
生まれ育った東京はピカピカでキラキラだけどぐちゃぐちゃで、延岡にきて景色がこんなに色を持っていることを初めて知った。ぜんぜん落ち着かないけどすごくきれい。
毎日1枚以上、延岡の絵を描くというルールを決めて滞在制作をしました。
東京藝術大学修士1年|李小江
次の旅は
僕は延岡に下見にきたとき、川口の海に行きました。そこで一番印象に残ったのは、風と波に乗って海岸まできた流木です。流木の上でふらふら歩くと、とても美しい感じがしました。流木はどこからきたのか。これからどこに旅するのか。この問いから作品を作りました。
金沢美術工芸大学修士1年|石田香
記憶Ⅱ 延岡
自分の中に、自分のものと確信できない記憶がある。恐らくは誰の中にもあるだろう。それは例えばテレビで見た景色だったり、本を読んで想像したものだったり、人から聞いた話だったり、昔見た絵だったりする。それらは無意識のうちに成長し、それを誰かに伝えることでまた別の誰かの中で成長していく。それはまるで菌類のように漂い、感染し、成長していく。そのような記憶のシステムに、形を与えたかった。
延岡市に来て、この土地の人々に無意識のうちに共有される記憶のシステムを表現したいと考え、水の印象がとても強かったことから、水生菌をモチーフに制作した。水はこの土地の地下水を使用しており、食器はリバーパル五ヶ瀬川、土井裕子さん、福良誠一さんからお借りした。
金沢美術工芸大学|大竹祐貴
FIVE CUBES
4つのCUBEには『水に近く、空にも近い』をテーマに、中央の「遊び」から「暮らし」「時間」「まち」へと展開。
5つ目のCUBEは...また今度。
サルクー洞窟
ブラックライトで発光するペンキを使ったワークショップ
ライブパフォーマンス~シン・サイノカワラ
東海町の砂浜でのパフォーマンスがライブ配信されました。
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